TTさん率いる設計事務所と世田谷でコーポラティブハウスの計画を進めている。
今年還暦を迎える同氏は、(私が知り合った)40代の頃からスタイルを変えていない。
「ものをつくるという」事にゆるぎないポリシーがあって、それはパッと見のデザインとか、流行とか格好良さというものではなく、「人が住む家」をつ くることに根ざしている。即ち、施主もどうやってこれから住もうか、きちんと考えなさい。家と一緒に成長しなさいというスタンスを持っている。
そして、あまり先を考えすぎない事を施主にすすめている。
家族構成が変わったことを想定して、部屋を一つ余分に作れるように工夫しておく事は、ある意味で合理性がある。しかし、先読みしすぎて子供が出来るか否か分からない状況で、部屋を増やしておく事は薦めない。
「そのときそこに住み続けるのか、住み替えるか考えた方がいいんじゃないの!」 きっぱりという。
確かに子供ができて個室を必要になるまでに数年(小学校中学年としても10年)位はかかる。その間は、自分たちの使い易い間取り、空間にしておいた方が良い。
家をつくると色々なことを振り返り、そして今後の事を考える。だけど最近は考えすぎる人が多い。
予測したとおりに将来はやってこない。
ビジョンがあるならば、それに向かって努力することが有意義だし、思い通りにならない状況を乗り越えていくこともまた有意義だ。
「かくて浮世は夢の如し。故人燭をとりて夜遊ぶ。」・・・私も追われるように生活していると、今を大事にすることを忘れてしまうが・・・、大いに夜遊ぼう(遊びたいなぁ!)。