家を所得するときの家族…、もっと限定していうと「男と女」には考え方、好みに大きな隔たりがある場合があります。ぴったり同じ考えを持っている夫 婦は、極めて少数です。人間ですから、夫婦だろうが親兄弟だろうが好みが違って当たり前、ぴったりということは本当に珍しいことです。
ですから、お互いを尊重して意見の違いを調整したり、譲り合ったりしながら取得する家を選択していくわけですが、これが意外と簡単な事ではありませ ん。譲る部分が多いと、まあいいや、なんてその場は思っていても、もくもくとフラストレーションが溜まってくるものです。これらを解消するには、
① コミュニケーションを充分に図りながら、
② 相手の考えや好みを尊重した上で、
③ 言いたいこと、主張したいことはきちんと主張する。
④ 主張の食い違うところは、きちんと話し合って、譲るところは譲る。
といったことが重要だと思います。注文住宅の計画中の折り合いのつけ方としては、キッチンは妻が主導で、寝室の内装は夫が主導する、などパーツに分 けて調整することも有効です。但し、パーツに分けてもお互いが利用するところですから、あまりちぐはぐにならないよう調整が必要ですし、内容をお互いが理 解しあうことも必要です(予算も絡みます)。
家を取得する世帯、特に一時取得の世帯は、働き盛りの年代が多く、お互いが忙しくて充分なコミュニケーションが図れず、ストレスを感じる時期があります。家を取得することは、それなりにエネルギーの要るものなのです。
注文住宅を建てる場合などは、その設計時期に応じて決定しなければならないことがいくつもあり(依頼する設計、工務店などによりその差はありますが)、エネルギーを費やすものです。
そうした共同作業を行うことによって、相手の価値観に触れ、自分自身も自分のライフスタイルを見つめることになり、夫婦の絆が一層深くなることもあれば、逆に、溝ができてしまう(モトモト溝がある場合には、深まってしまう)こともありえるのです。