デザイナーズマンションという言葉も 、なんとなく耳慣れた、少しありふれてしまった感じもします。 確かにデザイナーズマンションには、デザイン性に優れてフォルムの美しいものもありますが、ただ単に変わったものを強調するデザインのみを重視して、機能 を考えていないものも溢れてきています。そのうち消費者に飽きられるであろう建物も多く出来てしまいました。
空間や、細かな収まりのデザインで優れたものは 、そこにいる人の気分を和ませたり、緊張感を持たせたり、様々な効果をもたらすので、これも一つの装置と捕らえる事もできると思います。しかし造形のデザ インだけで利便機能がなければ人が住む上でストレスが先行してしまいます。
人は節目節目によってキャラクター、ライフサイクルが変わってきます。その時に変更しやすい「可変性」を考慮しておくことも一考だと思います。私個 人的には、機能からくる美しいフォルム「機能美」が好きです。その中にちょっとだけもったいないスペースを作って遊び心の あるデザインを施す余裕があれば、なんと贅沢だろうと思います。
機能といえば最近の分譲住宅は設備の充実が図られてきましたが、何も万人に高スペックにしなくとも…と思うこともあります。あれもこれも付けて、そ れを付加価値と見せかけるのは無駄な気がします。標準の仕様はそこそこにして、価格を安く設定し、ユーザーが必要なものを選択して付加していく方が合理的 ではないでしょうか。