随分前から、コーポラティブハウスの他、中古住宅の再生、老朽化したマンシ
ョンの建替えについても継続的に取り組んでいる。
先進諸外国に比べ中古住宅の流通割合が極めて低い状況において、政府として は様々な策を講じおり平成26年の税制大綱には優遇措置が盛り込まれまた。
住生活基本計画においては既に中古住宅の流通のシェアと、リフォーム実施を倍増させようということになっていて、中古住宅の流通の改善ということは、これまでも方針としては打ち出されてきたが、具体的な改善へと一歩踏み出した感がある。
細部の仕組みについては改善を進める必要はあると感じるが、今後市場が活性化していくことに期待したい。
特に今年は昨年から続く、景気浮揚感による地価の上昇(人気のエリアで)、 工事費の高騰等により新築の戸数が減るのではないか、という声もある。
そのような中で、良質なストックの再生は注目を集めていくと思う。
今回の税制優遇としては、質向上のための改修工事が行なわれた中古住宅取得時の登
録免許税(所有権移転登記)を、一般住宅0.3%のところ0.1%とする措置。
また、中古住宅を取得し、入居前に耐震基準への適合改修を実施する場合につ いて、住宅ローン減税、贈与税、および不動産取得税について特例措置の適用 を可能とする、というもの。
更に、優良なリフォームや耐震工事に対しての補助金も用意していくことになっている。
方や耐震性の低いマンション等については、建替え等を促進させるべく(区分所有を解消して)敷地売却することを容易にする法整備や税制優遇を予定し ている。(税制では譲渡所得税や登録免許税、不動産取得税の軽減や免除など)
つまり、優良なストックは大切に直して使い、壊すべきものは壊し易くする、という政策であり、この点も評価できる内容だ。
この区分所有の解消制度については、また別に掘り下げていきたい。
使えるものは直して大切に使い、作り直した方が良いものは円滑に作り変える。
政策や税制だけでなく、活動するプレーヤーのモラル、熱い思いというものが
良い住宅をつくったり、直したりしていく。
日本も成熟社会を向かえ、様々な取捨選択を「大人」な考え、感覚で行うべきだ。
私もその一助を担えるよう邁進していきたいと思う。
石川修詞