大事に管理や修繕を続け、より長く使っていただくことは社会的に重要なことですが、単なる物理的な寿命を迎えるだけでなく、残念ながら現代社会では使い辛くなってしまった、社会的寿命を迎える建物も多く存在します。
高経年マンションの再生(改修・建替え・敷地売却)は、早い時期からの検討が大切です。
現在のマンションストック総数は約665万戸(R1年末時点)、そのうち旧耐震基準に基づき建設されたものは、現在約104万戸もあります。
しかし、マンション建て替えの実績は累計で254件(R2年4月時点)、約2万戸程度と言われています。マンション建替え法(マンション建替え等の円滑化に関する法律)が施行されて18年間でこのペースであり、仮に旧耐震基準のマンションを全て建て替えるのに膨大な期間がかかります。
そして、凡そ10年後の令和12年には、築40年を超える分譲マンションのストックは約213万戸となり、改修や建替えが進まないマンショストックの増大は大きな社会問題になるといわれてます。
全国のマンションストック戸数
築後30年超の分譲マンション数
マンション建替え件数
生命・身体の安全の観点から、構造耐力が不足 (耐震性の不足等) している老朽化マンションのマンション建て替え、再生(耐震補強も含めたリノベーションや更地にして売却する敷地売却制度の活用など)が喫緊の課題となっています。
「マンションの建て替え等の円滑化に関する法律(以下「マンション建て替え円滑化法」)」が改正され、耐震不足のマンションでは、4/5以上の決議で区分所有関係を解消し敷地を売却することができる手法(敷地売却制度)が加わるなど、個々のマンションに適した手法を提案していく事が必要であり、建て替えコンサルタント、建て替えアドバイザーの役割はとても重要になってきました。マンションの建物が千差万別であれば、コミュニティーも千差万別です。 建物の機能、デザインは勿論重要ですが、まずは、区分所有者の一人ひとりの事情や考えは何よりも大切にしなければなりません。
建て替えの手法は多様です。当社では小規模なマンションから大型の団地まで、様々な基礎的な手法はもちろん、そのマンションに適した応用手法のご提案も行っています。