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「住まいづくり〜街づくり」
豊かな暮らしと街を考える総合コンサルタント

マンション再生ライブラリー

タウン・クリエイションでは、公費の補助を受け2015年にマンション再生のテキストを作成しており、その一部を管理組合の皆様への情報提供サービスとして公開しています。その他、これまでの活動で得たノウハウについても、掲載していますのでご参照ください。

<マンション再生の手法(マンション再生テキスト抜粋)>

マンション再生のプロセス

老朽マンションの対策として、これまでは①改修して使い続けるか、②建替えるかの選択肢しか無かった中に、③区分所有関係を解消して敷地を売却するという選択肢が加わりました。

マンション再生の各手法フロー図

<用語集:基礎知識>

区分所有法

正式名称は「建物の区分所有等に関する法律」と言い、マンションなどの区分所有建物における建物およびその敷地等の共同管理について定めた法律です。大まかに分別すると、建替決議以前は区分所有法に則って法手続きを取り、その後は円滑化法に従って建替え事業は推進されていくことになります。1963年(昭和38年)4月1日に施行され、その後に3度の大きな改正を経て現行の法律となりました。

マンション建替え円滑化法

正式名称は「マンションの建替え等の円滑化に関する法律」です。

2025年の区分所有法改正(施行は2026年4月1日)に合わせ、大改正があり、「マンションの再生等の円滑化に関する法律(再生法)」と名称が変更になりました。

区分所有法には建替え決議後の規定がなく、事業が円滑に進まなかったため、区分所有者によるマンションの建替えに関する手順などを円滑に進めるために定められた法律。2002年12月18日に施行。建替えに関するほとんどの規約は、このマンション建替え円滑化法と区分所有法に基づいて策定されています。

マンションの再生等の円滑化に関する法律

マンション建替え円滑化法の大改正にあたり、マンション再生法となりました。建替え、売却等の手法が増えたこと、また、再生の実施にむけて手続きの見直し(簡略化を含む)が行われています。マンション建替え、マンション売却、建物更新、建物取り壊し、など再生に関する事業法として定められています。

被災マンション法

正式名称は「被災区分所有建物の再建等に関する特別措置法」。大震災で全壊や大規模一部損壊したマンションの再建・取壊し・敷地売却を多数決で実施できる特別法です。通常は全員一致に近い同意が必要な再建・売却のハードルを下げています。

建物更新

建物をスケルトン(骨組み)状態にして、配管や給排水設備、共有部分(エントランス等)を最新のものに交換します。内装や間取りも新築同様にし、住戸(区分所有建物)の権利も変換できる(別の住戸に権利を移したり、お金に変えて転出することも可能)仕組みです。これまでは全員の同意が必要でしたが、令和8年4月施行の区分所有法、マンション再生法の改正で原則5分の4以上の同意で可能になりました。

建物敷地売却

老朽化などで耐震性が不足する等のマンションの建物と敷地を、4/5以上の賛成に基づき、買受人へ一括売却する制度です。これまでは特定要除却認定を得たマンション(耐震性不足、火災安全性不足、外壁等の剥落など)が対象でしたが、全てのマンションで決議があれば実施できます。また、これまでは買受人は必ず買い受けた建物を除却(解体)しなければなりませんでしたが、建物を改修するなどして利用することも可能になりました。建替えても容積の増えないマンションでは、売却を選択する管理組合も増えています。

建物取壊し敷地売却

4/5以上の総会決議後に売却する組合(マンション等売却組合)により、建物を取り壊し(解体)した後に買受人に売却する手法です。建物付きで売るよりも、売却条件が有利になる場合などに検討されます。

取り壊し

4/5以上の賛成に基づき、一旦、建物を取り壊す制度です。老朽化が進み危険性が増したマンション、被災したマンション、定期借地付マンションで土地所有者への返還前に取り壊す場合、などが想定されます。

容積率

敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合=容積率は、用途地域ごとに上限の数値が定められています。建替えプランに大きく影響してくるので、現マンションで許容される容積率は事前に把握するのが得策です。

※容積率の緩和特例:新たに建築されるマンションで、一定の敷地面積を有し、市街地の環境の整備改善に有効なものについて、特定行政庁の許可により容積率制限が緩和されるという特例。2014年12月24日に施行。

建ぺい率

容積率と同じく、敷地面積に対する建築面積(建坪)の割合=建ぺい率も、用途地域ごとに上限の数値が定められています。容積率と同様に、現マンションで許容される建ぺい率は事前に把握するのが得策です。

余剰容積率

従前マンションの容積率と用途地域ごとに決められた容積率の上限値との差を指します。余剰容積率があれば、建替え時にその分マンションの専有面積を増やすことができます。そして、この増加分をデベロッパーに売却することで建替事業費を補填できる場合があります。

既存不適格

建築時には法の適用範囲内で建てられたマンションが、その後の法令改正や都市計画変更等によって現行法に対して不適格な部分が生じてしまった場合を指します。

マンション建替えを行う際は現行法に適合するように建築する必要があります。

Is値(耐震指標)

Is値は建物の耐震性能を表すための指標です。

建物の強度・材料の粘り強さ、形状やバランス、経年劣化などといった耐震性能に大きく関わる要素を総合的に判断する指標で、この値が高いほど耐震性が高いということになります。

0.6未満の場合は倒壊または崩壊する危険性がありますので、何らかの対策が必要です。

権利変換

建替え前の旧マンション(従前マンション)に関する権利を建替え後の新マンション(従後マンション)に置き換えることを権利変換といいます。

権利変換計画は、建替組合の総会で決議し、組合員及び議決権の5分の4以上の賛成を得て成立。その後、審査委員の過半数の同意を得たのち、知事等の認可を得ます。権利変換期日をもって、従前マンションの権利と資産額が従後マンションに置き換わります。

分配金取得計画

マンション等売却において、区分所有者や権利を有する者が受け取る分配金や補償金の金額、権利消滅期日等を定めた計画。この計画の行政認可を得た後に、権利消滅期日に借家権を除く全ての権利がマンション等売却組合に集約されます。

権利消滅期日

マンション等売却組合が進める売却事業において、分配金取得計画の認可を受けた後、この権利消滅期日を決め、マンション(区分所有建物)の借家権を除いた全ての権利をマンション等売却組合に集約することになります。この権利消滅期日までに、区分所有者を含む各権利者にはその対価(補償金)が支払われます。補償金の受け取りを拒んだ権利者や所在が不明な権利者には、供託等によって見做しの支払いが行われたことになります。

還元率

従前マンションの専有面積に対して、無償で取得できる新マンションの専有面積の割合を指します。

補助金制度

融資、税制特例、優良建築物等整備事業といった行政からの各種補助金制度がありますが、これらの優遇制度を最優先にして計画を立てると、当初の建替計画に大幅な見直しが生じてしまうことがあります。あくまで計画ありきと考え、補助金制度の活用には冷静な判断が求められます。

要除却認定

耐震性の不足、火災安全性の不足、外壁等落下の危険性、バリアフリーの不適合、配管等老朽化による不衛生など、5項目に該当する認定を受けることで、建替え時に容積割増が得られる等の優遇がある。また、団地の敷地分割についても可能になります。

除却等計画の認定

建物敷地売却制度において、買受人が買い受けた建物を除却する場合は除却等計画の認定を受けることとなる。この認定はマンション等売却組合の設立認可申請をする際に必要となる。

権利床

建替え事業において、従前資産評価(現在所有のお部屋)の範囲内で(無償で)取得できる建替え後の新たなマンションの床のことです。

保留床

建替え事業において、「権利床」以外の床のこと。権利者が追加負担を行い取得する「増し床」や参加組合員が取得する「余剰床」がこれにあたります。

増し床負担(増床負担金)

建替え後に取得する新たな住戸が従前(建替え前)資産評価よりも高くなる場合に、その差額に相応する負担金のことです。通常、権利床(従前資産評価額)までは、開発経費の原価で取得できますが、建替え後の床面積がさほど増えない場合には、一定の係数を乗じて原価よりも高い金額の負担を行うなど、組合のルールで定めることが多くなっています。

等積負担額

建替え事業において、建替え後に従前資産(現在所有のお部屋)と同じ面積の部屋を取得する場合の負担額のこと。組合で定めるルールによるが、一般的に権利床部分は原価で取得できるのに対し、増床負担額においては一定の係数を乗じることが多い。

<用語集:スキーム関連>

組合施行方式

マンション建替え円滑化法に則って建替えを行う方式です。組合による運営や意思決定のルールが法律によって明文化されているため、組合員の公平性を担保することが可能です。

また、従前マンションから従後マンションへの移行期において組合員の権利が消滅しないため、住民にとってもリスクが少ない方式となっています。

個人施行方式

マンション建替えの「個人施行」は、マンション再生法に基づき、区分所有者(またはデベロッパー等)が主体となり、関係権利者「全員」の合意を得て行政認可を受けて進める建替え手法です。手続きに手間がかからず速く進むメリットがある一方で原則として1人でも反対がいれば実施できない方式です。

<用語集:組合運営関連>

再生組合(旧:建替組合)

再生組合はマンション再生法で定められた法人格を持った組合です。建替え事業や建物更新事業の施行者として工事契約や資金借入等の契約を行う主体となります。建替え決議(或いは建物更新決議)の合意者の集会で4分の3以上の同意を得て都道府県知事等へ設立を申請します。設立が認可されると合意者は組合の構成員(組合員)となります。

マンション等売却組合

建物敷地売却、建物取り壊し敷地売却の総会決議後に認可を受けて設立する売却事業を推進する組合です。分配金取得計画(各戸への売却金額)認可後の権利消滅期日には全ての権利(借家権を除く)がこの組合に集約された後、買受人に売却されます。

組合(組合員)

マンション建替えにおいてはマンション建替組合のことを指す。建替え同意者。

参加組合員

参加組合員とは、建替えや建物の更新等再生事業において、主にデベロッパーなどの不動産開発事業者が、再生組合の設立後に構成員として参加する者を指します。ノウハウと資金を提供して建替え等を推進させます。参加組合員負担金により余剰の保留床(売却のため等の住戸)を取得して分譲することで事業収益を得ます。

事業協力者

事業協力者とは、デベロッパー(不動産開発事業者)やゼネコン(建設会社)などが、マンションの建替え等再生の計画段階から管理組合の支援に参画し、専門的な知見や資金力をもって再生事業を技術的・経済的な支援や合意形成の支援をするパートナーのことです。正式な決議後に再生組合を設立する際には、通常、参加組合員として保留床(余剰床)を買い取り、分譲事業や賃貸による収益事業を行います。

<用語集:再生に関連する事柄>

耐震診断、耐震基準

耐震診断とは、既存の建物が地震の揺れに対してどれくらい耐えられるか(耐震性能)を、専門家(建築士)が図面や現地調査に基づき調査・評価するものです。主に1981年(昭和56年)の「新耐震基準」以前に建てられた建物に対し、倒壊リスクの確認や、必要な補強案・改修費用の検討を目的に実施されます。

国内管理人

海外居住の区分所有者に代わり、日本国内で管理費支払や総会通知受領、議決権行使などを行う「国内管理人」制度です。連絡不能等のリスクを軽減し管理運営や再生検討など重要な局面において有効であり、管理組合は規約で選任を義務付けることも可能です。2026年4月施行の改正区分所有法により制度化されました。

所在不明者管理人(所有者不明専有部分管理人)

区分所有者の所在が分からず、管理において支障がある場合に、管理組合が裁判所へ申し立て、管理人を選任することができます。専有部分が対象であり、管理費滞納や居住者不明問題に対し、2026年4月施行の改正区分所有法で制度化されました。

不在者財産管理人

不在者の財産全体を管理する制度で、管理組合から裁判所へ申立てができ、選任された管理人は不在者財産の管理、保存行為を担います。弁護士や司法書士が選ばれることが多く、報酬が必要になることが一般的です。「所有者不明専有部分管理人」は専有部分の管理・処分が主な目的であるのに対し、「不在者財産管理人」は不在者の財産全般の管理・保存を目的とします(民法の規定)。

賃貸借契約の終了

マンションの建替え等、再生の決議がされた場合の賃貸借契約は、決議成立後に賃借人へ終了を請求でき、請求から6ヶ月経過で契約が終了することが、2026年4月施行の改正区分所有法にて明確化されました。但し、賃貸借契約の終了には定められた基準による補償費用の支払い(借家人の受け取り)が必要です。

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